NTTグループが退職者約14万人に支払う企業年金の減額を厚生労働省が認めなかったのは不当として、NTT側が国を相手に処分の取り消しを求めた訴訟で、最高裁は8日付で上告を退ける決定をした。減額には「3分の2以上の受給者の同意」だけでなく「企業の著しい経営悪化」が必要とする厳しい条件を認める司法判断が確定した。運用難に苦しむ企業に、減額はさらに高いハードルとなった。 「受給者の権利保障と、そのための国の役割の必要性を確認する意義を有するものだ」。年金受給者と弁護団は10日の会見で、最高裁の判断を歓迎した。一方、NTTは「法令上の減額要件も満たしているという当社の主張が退けられて極めて遺憾」とコメント。最後まで両者の主張はすれ違いのままだった。 NTT側は2005年、受給者の9割弱の同意を得て、減額に向けて年金規約の変更を国に申請した。しかし、厚労省は06年「黒字が続いており、経営状態の悪化