鹿児島県の奄美大島で昨年10月に起きた豪雨災害。島内5市町村に寄せられた義援金のうち約2億円の使途がまだ決まっていない。 奄美市は、災害直後から市議や自治会の代表ら11人でつくる「義援金配分委員会」で配分先と金額を検討。昨年11月と12月、今年4月の3回に分け、計3億679万円をすでに配分した。全壊した7世帯には計142万円、半壊の319世帯には51万円、床上浸水の63世帯には34万円ずつ。死傷者のいる世帯や作物が被害を受けた農家、床下浸水にとどまった住宅など約1400件に配分された。 市は、配分後に残った約3千万円を災害対策用の基金にする計画だった。ところが3月末、県と日赤県支部などが集めた義援金1億564万円が市に寄せられ、残金が膨れあがった。 4月下旬にあった市の配分委では全額を基金にする案が出たが、5月中旬の会合では「基金には多すぎる」「被災者を助けるという趣旨に合わない」と