国立国会図書館長の長尾真氏による『電子図書館 新装版』(岩波書店、2010)が出版された。 元の版が1994年であり、Windows95発売以前であったことを思うと、インフラとしての電子的環境はほぼ予想されたように進捗している。しかし、肝心の電子図書館に関するかぎり、著者の予測は達成されていない。 電子図書館 新装版 作者: 長尾真出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2010/03/19メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 60回この商品を含むブログ (19件) を見る 「新装版の読み方」で岡本真氏が指摘しているとおり、 (1)本の構造の解体(物理的な「本」から情報レベルへの分解) (2)断片化した情報の再構造化(リンクによる関連性・関係性の構造化) (3)新たな読書インターフェースの登場(本の「コンテナ」の再構築) この3つが現在直面している課題であることを見事に言い当てている。