オウム真理教の一連の事件で、最後の被告人となった高橋克也被告の裁判が、東京地裁で開かれている。2月3日の第12回公判で、開廷と同時に、主任弁護人が立ち上がって吠えた。2月6日に予定された裁判が、非公開となったことへの抗議だった。証人となる元信者が、公開法廷に出たくないと言い出したため、裁判所が検察側の要望を受けて、非公開を決めたのだ。 何も明かさないまま非公開にこの元信者は、教団諜報省の元次官で、假谷事件では被害者を車に引き込むなどした実行犯。先月26日にはVX殺人事件の証人として出廷し、各事件の状況のほか、自らの教団内での地位などをかなり饒舌に語った。その際、遮蔽板で姿が傍聴人から見えないようにしてあり、メディアの報道も名前は出さないなど、すでに服役を終えた彼に対して十分な配慮がなされた。にもかかわらず、同様の形で假谷事件を証言するのは、嫌だというのである。しかも法廷では、なぜ今回は嫌だ