ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (13)

  • 「アフリカ・レポート」から行動する

    アフリカの現状を活写した一冊。入口としても(日語で読める)最新情報としてもオススメ。 「なぜアフリカは貧しいのか?」への回答は、「植民地として搾取されてきたため」になる。何百年に渡って欧米に強奪され続けてきた結果、インフラや行政機能の崩壊、疫病の蔓延、治安の悪化から内戦・内乱に至り、貧困を生む負のスパイラルをまわす。 160,000%を超えるインフレ率、ジンバブエ 鉱物資源の利権をめぐって腐敗した国家、コンゴ 無政府状態+内戦状態が10年余に続くソマリア 血まみれダイアモンド利権で殺し合いが続いた、シエラレオネ しかし、「なぜアフリカは貧しいままなのか?」には、異なる回答が出始めている。最近読んだ2冊(「アフリカ 苦悩する大陸」と「最底辺の10億人」)には、政府や指導者層に問題があることがはっきりと述べられている。大統領や政府が無能無策なだけでなく、国民をい物にして私腹を肥やしているか

    「アフリカ・レポート」から行動する
  • 数式なしでわかった気になれる「ゲーデルの哲学」

    岩波文庫で撃沈したが、書から攻めたらすんなり入れた。数式を使わずアナロジーを用いることで、不完全性定理のイメージを上手く伝えている。同時にゲーデルの生涯を追いながら、不完全性定理の哲学的帰結までたどっている。 哲学的帰結は以下のとおり。 全数学を論理学に還元することは不可能である 全数学を公理化することも不可能である この完全な理解にはほど遠いものの、感覚的に分かった。おかげで、あれほど確固なものだった「数学」が、実は「信念」を積み重ねた楼閣に見えてしようがない。わたしは、「数」を信じるように、不完全性定理を信じる。 ■01 受験数学の呪い 「要するにどういうことか」は、理解をすッ飛ばして記憶した。数学は暗記科目――受験数学の呪いは骨の髄まで浸透している。公理と定理を暗記して、adaption パターンを習得するのが「数学」だと思い込んでいた。 そこには、自ら定理を導出する喜びや、新たな

    数式なしでわかった気になれる「ゲーデルの哲学」
  • 「無限のスーパーレッスン」に酩酊する

    ゲーデル入門のつもりで読んだが、「数」の恐ろしさを思い知ると同時に、確かだと思い込んでたリアルがゆらぐ。急に足元が消えたような感覚にとらわれる。そのへんのミステリよりも背すじが寒くなる。 8章まで面白く読める。聞き手の「おっさん」が程よく分かっていないので、絶妙の質問をしてくる。まるでわたしの代わりのようだ。おかげで、「わからない」から「わかる」快感をたっぷり味わう。 興味深いのは、「わかった」とするときの居心地悪さ。アタマでは分かっても、腹に落ちない「だまされているような感覚」がつきまとう。例えば、 「1= 0.999…」について、ありがちな説明として、 1 = 1 両辺を3で割る。左辺は分数、右辺は小数で表現すると、 1/3 = 0.333… 両辺に3をかけると、 1 = 0.999… 聞き手の「おっさん」は、これがうさんくさい、という。 つまり、0.99999999999999999

    「無限のスーパーレッスン」に酩酊する
  • 「夜の来訪者」はスゴ本

    今年のNo.1スゴ! …というか、戯曲。緊迫した展開と最後に用意されたどんでん返し。サクッと読めてゾクッとした150頁たらずの小編だが、自信をもってオススメできる。 舞台は裕福な家庭、娘の婚約を祝う一家団らんの夜。そこに、警部と名乗る男が訪れて、ある貧しい若い女性が自殺したことを告げる。そして、その自殺に全員が深くかかわっていくのを暴いていくが… 場所は、団らんの居間のみ。派手なアクションも大仰なセリフ回しも一切無し。新訳がまた上手いんだ。削ぎ落とされた言葉の向こうに、胸がつぶれるほどの感情が取れる。山場では、気持ちがダイレクトに伝わってくる、まるで、舞台の上の表情を見ているかのような気にさせられる。 しかも、前半の前触れがいい。会話の端々に危うさがナイフの腹のように光っている。和気あいあいとした中に、読み手はなにか落ち着かなさを感じる。ひょっとして伏線なのかなぁ…と思うこと二度三度 ←

    「夜の来訪者」はスゴ本
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 「最近の若者は本を読まない」本当の理由

    最近の若者は、を読まない。ネットやケータイに毒されており、まともな文章を読む能力に劣るのが、イマドキの若者だそうな。そのため、文を書く能力も、相手の話を理解する能力も、ひいてはコミュニケーションそのものが著しく劣っている。このままでは日が亡ぶ ―― って、ホント? しかもこの説、かなり昔からもてはやされている。「最近の若者は…」といいだすオヤヂ連中が「最近の若者」だったころも、この言説はマスゴミ紙面の埋め草となっていた。 昔から語り継がれるこの命題について、調べてみた。 結論からいうと真逆で、最近の若者ほどを読んでる。これは二重の意味でYESといえる。つまり、昔に比べて今の方がは読まれている。さらに、オヤジ連中よりもむしろ、若者世代の方がを読んでいる。 その根拠は、読書世論調査。毎日新聞社が1947年から行っている調査で、全国の16歳以上の男女を対象とした「読書世論調査」と、小・

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 「最近の若者は本を読まない」本当の理由
    rararapocari
    rararapocari 2007/06/28
    世代は関係なく、電車内で本を読んでいる人は減ったように思う(ケータイのせい)
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 読書は人間がベッドの上でおこなう二つの快楽のうちの一つ

    タイトルは丸谷才一「思考のレッスン」より。読書について、書くことについて、沢山のヒントをもらった。「読書のコツ」、今風に言うなら「読書Hack」。ただし、効率ばかりの安手なものと違って、ひとつひとつ自分で読みといてはヤクロウに入れる手間はある。 ■の読み方の最大のコツ 最も激しくうなづいたのは、の読み方の最大のコツ→「そのを面白がって読め」。そのを面白がって、その快楽をエネルギーにして進め、という。言い換えると、「面白くないは読むな」となる。面白く思えないをガマンして読んで分からないなんて、つまらない。その時間、別のを面白がって読んで得られる効用の方が大なり。 読書は快楽なんだ、ベッドの上でする二つの快楽のうちの一つなんだ。もう一つの快楽が何かは言うまでもないけれど、それぐらい愉しいことなんだ。もちろん、もう一つは睡眠だね。読んで寝て暮らす、これぞ究極の快楽。 ■を選ぶポイ

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 読書は人間がベッドの上でおこなう二つの快楽のうちの一つ
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 子どもに絵本以外を与えてみる:「ナショナル ジオグラフィック ベスト100」

    毎週図書館ハシゴしているので、つきあわされる子どもも大量に(というか絵)を読んでいる。「大量に借りて一度は読む→気に入ったのを何度も借りなおす」のループで、最近じゃ、たどたどしくも自分で読めるようになったのが嬉しい。 しかし、親のほうが飽きてきた。いつも「こどものほん」コーナーで物色するだけで変わりばえしない。めぼしいものはあらかた読みきっており、「リサとガスパール」の新刊が出ると奪い合いになる(わたしも楽しみだから、ね)。 おそらく放っておくと、児童書→物語系→小説… と手が出るのは目に見えている(なんたって、わたしが歩んだ途だ)。物語のチカラは偉大だ。死やセックス、差別や戦争を絶望させることなく伝えるすぐれた方法だと思う。 しかし、物語に淫してばかりいると、わたしになる。ここはひとつ、写真のチカラを援用してみよう。いつまでもわたしのインスタンスじゃぁつまらないからね。いままでの反応

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 子どもに絵本以外を与えてみる:「ナショナル ジオグラフィック ベスト100」
    rararapocari
    rararapocari 2007/05/25
    「差別はいけません」とか「貧困はなくすべきです」なんて模範解答を丸暗記しないように(略)。本を読むということは現実のシミュレートであり、世界を具体化する作業なんだな。
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 悪用厳禁「洗脳力」は自己限定で

    あらゆる成功にトドメを刺すスゴ。3章まで読めば、ほとんどの自己啓発は無用。さらに4章では、より高次の「夢」を実現する方法まで紹介されている。6章は悪用厳禁、他者を支配下におくやり方がある。要するに、自分(や他人)を洗脳する方法が書いてある。 自分を洗脳 → (自分の)成功に向かって自分を注ぎ込み、実現させる 他人を洗脳 → (高次の)夢に向かって他人を巻き込み、思い通りにする だから、自分だけの成功の実現のために、他人を利用することができてしまうため、前者は詳しく、後者はぼかして書いている。 amazon評に「ノウハウが分かりにくい」とあるが、6章のことだろう。むべなるかな、「わざと」そうしていることに気づけよと。手取り足取り説明すると、誰でも悪用できる強力な催眠術のようなものだから。コトの重大性を理解できないような輩には、最初からお断り、というやつ。著者のblog[ドクター苫米地ブ

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 悪用厳禁「洗脳力」は自己限定で
  • Googleエロフィルタを外してみる

  • 「読書の腕前」の上げ方

    同感<->反感の振幅が激しい読書論。言ってることには激しく同意だが、やってることはかつてわたしの通過したところ。 たとえば、「は積んで破って読め」や「読書の腕前」の上げ方、あるいは「ベストセラーは十年後に読め」は大賛成。読書は量だというわたしの信条とも一致する[参照]。その一方で、人のオススメを顧みない唯我独尊な選書や、なんでも「円」で計りたがるせどらーちっくな態度は、たまらなく厭だ。 ―― とはいえ、さすが職の書評家、良いをたくさん読んでいる。book of book として「これから読む」を拾ってモトは取る。さらに、書評をメシの種にすることの大変さが窺い知れて、好きでやってる自分の幸せを噛みしめる。 著者は岡崎武志氏、朝日の読書欄「ベストセラー快読」の執筆子といえばピンとくるだろうか? 巷のベストセラーを名うての読みに評させる試みで、「なぜベストセラーなのか」の分析が辛口。

    「読書の腕前」の上げ方
  • 劇薬マンガレビュー(第2弾)

    オトナが読んでもトラウマになるような劇薬マンガを求めて→「はてな」で質問[参照]→教えていただいたマンガを読む→激しい衝撃を受ける[参照]→次のマンガへ…といった、ネガティブフィードバックのくり返し。気が向いたとき、手軽に嫌悪感や忌避感、あるいは嘔吐感を味わっている。 はてなで回答していただいた皆さま、胸クソ悪くなるような作品を紹介していただいて、当に感謝しています。おまけに、このblogで「そいつを読むならコレはどう?」と追撃コメント頂いたおかげで、定価で入手できる劇薬マンガは一通り集まったのではないかと。 この第2弾では、せっかくご紹介いただいて、ワクワクしながら読んだにもかかわらず、これは劇薬じゃないよ、スゴく面白いよ!と感じた作品をご紹介。ポイントは『わたしが』面白いと思ったところで、人によるとトラウマンガになるかもしれないので注意して。 最初は、「ブラック・ラグーン」。屋で呼

    劇薬マンガレビュー(第2弾)
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 東大教官がすすめる100冊

    東大教官が選んだ新入生向けのブックリストとして、新書「東大教官が新入生すすめる」と、紀伊國屋書店のサイト[参照]がある。全部で1600冊程と膨大なので、まとめた。まとめるだけでは面白くないので、100冊に絞ってランキングした。 ■東大教官の観点 以下の3つの観点から選書している。 1) 私の読書から――印象に残っている 2) これだけは読んでおこう――研究者の立場から 3) 私がすすめる東京大学出版会の 1) は、読書経験の貧富がハッキリ見える。めったなを勧めるわけにはいかない。ほとんどが厳めしい古典、大御所を占める。ところが、ウケ狙いか、小松左京や村上龍、コミック「棒がいっぽん」などを推す教官がいて面白い。 2) の意味を拡大解釈する教官多し。何十巻もある「○○全集」を指定してくる人もいる。ゼミ生になったら生き字引代わりにでもしようとするつもりかしらん。オマエも全読してねぇだろ!

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 東大教官がすすめる100冊
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: ブロガーが選ぶ「2005年に読んだベスト」まとめ

    屋に並んでいる「この○○がスゴい!」に天邪鬼な視線を。商業主義に毒されたとまで言わんが、いろんな力学・政治学が働いている。 なぜなら、「この○○がスゴい!」は、出版年やジャンルという縛りがあるから。あるいはライターの意地(というか見栄)が作用して「いまさらこれを採るの?」「なんでこれ入れないの?」の有言無言のツッコミにキーボードも湿りがちになるから。 むしろブロガーが強力にプッシュする「これ読めリスト」の方が面白い。合う合わないもあるけど、知らない世界の手がかりになる。あるいは、自分が目ぇ付けているを推すブロガーに注目してみるとか、使い方はいろいろ。 作成にあたり、hmmmさんの今年の○冊(チラシのおモテ! )を参考にした。大感謝。このリンク先はブロガーのベストだけでなく、新聞各紙の2005ベストへのリンクが充実している。 (★印はわたしの読みたいリストとシンクロ) 2005年を振り

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: ブロガーが選ぶ「2005年に読んだベスト」まとめ
  • 1