(大西 康之:ジャーナリスト) 孫正義率いるソフトバンクグループ(SBG)が2019年7月〜9月決算で約7000億円という創業以来、最大の最終赤字を計上した。米シェアオフィス大手、WeWork(ウィーワーク)など「ユニコーン」と呼ばれるベンチャー企業への投資失敗が主な原因だ。 10兆円規模のソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)を核に「株価が上がり続けることを前提にした超拡大路線」で突っ走る孫の経営に危うさが見えてきた。 その姿は、かつて「地価が上がり続けることを前提にした超拡大路線」で破綻したダイエーの中内㓛に重なる。孫は中内と同じ「永遠願望」に取り憑かれているのかもしれない。 「真っ赤っかの大赤字」 11月6日、東京・箱崎のロイヤルパークホテルで開かれたSBGの決算説明会。登壇した孫は、殊勝な顔で切り出した。 「真っ赤っかの大赤字。台風というか大嵐でございます」 赤字の原因は前年同