日本共産党の政権参画に向けた課題を分析する/下 乗り越えなければならない最大の壁は政策よりも党の組織 田中信一郎 千葉商科大学基盤教育機構准教授 日本共産党の政権参画に向けた課題を分析する/上 これまで考察したとおり、日本共産党の内政は、欧州の社会民主主義と同様の政策を追求するもので、政権参画への大きなハードルとならない。「革命」という語を用いているものの、暴力革命も無血革命も国家体制の転覆も指向していない。あくまで、議会制民主主義と資本主義の枠内で、実質的な社会民主主義の実現を目指すものである。 日米安保は「改善」か「廃棄」か それでは、歴史的な経緯で独自に形成されてきた外交・安全保障政策はどうか。共産党の外交・安全保障政策は、マルクス主義や社会民主主義という政治思想よりも、戦前の官憲による党への弾圧や戦後の人々の戦争への危機感に大きな影響を受けて形成されてきた。よって、内政とは別に考察
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