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ブックマーク / www.anlyznews.com (8)

  • インフレ目標政策は失敗だった!

    ノーベル賞経済学者のスティグリッツが、アベノミクスを支持していると報道されている(産経ニュース)。アベノミクスの柱の一つはインフレ目標政策の導入だったわけだが、スティグリッツがインフレ目標政策は失敗だったと言っていた事を思い出した(Project Syndicate)。 考え方を変えたのかと思ったが、"In the Wake of the Crisis"の中でもインフレ目標政策に懐疑的な見方を披露している。スティグリッツによると、インフレ目標を死守することに意味は無く、安定した持続可能な成長を達成し、雇用や賃金を改善する事が重要だ。しかし、リーマンショック前はインフレに焦点を合わせることで視野が狭くなり、それがインフレよりも問題な金融不安を呼び起こした。また、同じインフレでもコスト・プッシュなものなのか、ディマンド・プルなものかで、実行すべき政策は異なる。 スティグリッツが批判しているのは

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    raycy
    raycy 2020/09/06
  • 国家戦略特区諮問会議の有識者議員の証言で出てきた謎

    加計学園の獣医学部新設を巡り、よく分かっていない点が三つある。一つは、官邸が文科省に獣医学部新設を認めるように圧力をかけたのか否かだ。政治主導自体はおかしくないが、官邸は主導した事を否定している。一つは、獣医師需要が減少すると予測されているのに、獣医学部を増やす方向に舵を切った理由。一つは、既存学部が『広域的に存在しない地域』に限定した理由。こういう状況で、6月13日に八田達夫大阪大学名誉教授ら有識者議員が決定の妥当性を主張したのだが、官邸が文科省と折衝していたことが強く示唆する説明であったし、むしろ謎が深まる所があった。 加計学園と競合していた京都産業大は、「『広域的に存在しない地域』と限定されると関西圏で新設するのは難しい」と判断したため、学部新設を諦めたと報じられてきた*1。しかし、有識者議員の証言では、この条件では京都府と京都産業大も対象外ではなかったそうだ*2。山地方創生相が「

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    raycy 2017/06/21
  • 日銀券が日銀の負債である理由

    昔の紙幣は兌換銀行券と言って、金や銀などの貴金属との交換が保証されたものであったから、中央銀行にとって発行した紙幣が負債であるのは明白であった。一方、現在、日銀行が出している紙幣は不兌換で、法的に何かの返済義務を負っているわけではないから、その負債性が見えにくくなっている。償還日がない発行済紙幣は、日銀のバランスシートの負債ではなく純資産(資)に計上すべきと言う声もそこそこ聞かれるぐらいだ。しかし、日銀が状況に応じて日銀券の回収を行なう義務を負っているからこそ、日銀券の価値と機能が維持されている。だから、日銀券はやはり負債と考えるのが適当だ。 日銀券に負債性があるのは、銀行券の価値の安定のために、適時、国債を主とした金融資産で日銀券を回収することを予定しているからだ。インフレ率を制御するために通貨供給量をコントロールする必要があるわけで、通貨供給量、つまり発行済日銀券は放置しておいて良

    日銀券が日銀の負債である理由
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    raycy 2017/03/23
  • ICRPのLNT仮説への懐疑は、DDREFの採用から分かる

    疑似科学ニュースが、「ICRPはLNT仮説を科学的に信じていない」と言う主張の理由を問いただしている。ICRP自身が疫学的リスク計算を戒めていると言うだけでは、陰謀論に思えて納得できないようだ。何はともあれICRPのLNTモデルの作り方を見てみると、実用的な補正が施されていることが分かると思う。 ICRPは、広島・長崎LSSと言う原爆被害者のデータから、被曝線量とリスクの関係を整理している。ただし全データから直線を引くのではなく、100mSvから1500mSvのデータに制限している*1。何はともあれ、高線量域のLNTモデルがデータから作られる。 100mSv未満の明確な疫学データは無いので、この高線量LNTモデルを、低線量域まで延長して外挿する。この延長にはDDREFと言う修正係数を用いて、低線量域では影響が少なくなるようにしている。図を描くと以下のような感じだ。 このような調整を行った理

    ICRPのLNT仮説への懐疑は、DDREFの採用から分かる
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    raycy 2015/04/09
  • ICRPはDDREFを“採用”している

    疑似科学ニュースが「ICRPはDDREF(線量-線量率効果係数)についても触れている」「DDREFとLNT説を併記しているICRP」と主張しているのだが、モデルを強調するわりにはICRPの放射線防護モデルがどうなっているのか確認していないようだ。ICRPはDDREFを“採用”しており、それに触れているだけでも、両論併記しているわけでもない。 以前のエントリーでも出した図をもう一度出そう。何回も出しているが、疑似科学ニュースのブログ主が見た気配は無いので。 ICRPは科学的なリスク推定モデルで線量率効果を考えて二次式のモデルを、放射線防護ではLNTモデルを採用している。DDREFはLNTモデルを、二次式のモデルに近づけるための係数だ。だからDDREFも併記しているのではなくて、ICRPはDDREFを採用している。DDREFなしのモデルは提示していない。 線量率効果については、ICRPは動物実

    ICRPはDDREFを“採用”している
    raycy
    raycy 2015/04/09
    2013年7月17日水曜日
  • 「均衡」と「定常状態」で経済評論家に騙されないための知識

    均衡も定常状態も定義された単語なのだが、ネット界隈ではあやふやに使われる事が多い。特に動学マクロ経済学の話になると、混沌としてくる。 昨日も動学マクロ経済学では・・・と言いつつ、定常状態=均衡と言っている経済評論家を見かけた。定常状態=均衡では無いし、例え失業者がいても理論上は不均衡だと見なさないのだが、そういう事が分かっていないらしい。 1. 位相図を見ながら均衡と定常状態を理解する 具体例として、最も基的な資だけで世界の状態が決まるラムゼー・モデルの位相図を見てみよう*1。Cが消費、Kが資、ΔCとΔKがそれぞれの次の期の増減になる。ΔC=ΔK=0が定常状態だ。このモデルでは(横軸の)資が決まっており、それによって生産量が定まる。それを消費と投資に振り分ける。この配分は、自然と決定される。 均衡状態よりも(縦軸の)消費が多く投資が少ないと、来期以降の資が不足するので、投資の価値

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    raycy 2013/06/21
  • デフレで財政再建は無理? - 19世紀の英国と1920年代の米国はデフレで債務圧縮

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    raycy 2013/05/13
  • 池田信夫と相関係数と45度線

    以前から経済評論家の池田信夫氏が統計学に疎いのでは無いかと言う指摘があって、その代表的な問題にSmith(2006)で指摘されていた以下のフィリップス曲線に関する説明がある(池田信夫 blog(旧館))。 ここでの池田氏の説明が意味不明な所が多々あり、先日の元官僚の高橋洋一氏の回帰分析を酷評する池田氏も他人の事は言えないのでは無いかと思う人もいたようだ。 フィリップス曲線も知らないで「これはひどい」とか言っている人もいるようだけど、「相関」というのは、45度線になったときが最も高く、垂直または水平になったときはゼロ(相関なし)です。 この説明がおかしい事は、統計学の授業をとった人だとすぐに分かると思う。全ての観測値が回帰直線上に乗っていれば相関係数が1なのであって、回帰直線の傾きは関係ない。また、「45度線」は経済学では原点を通るy=xの線である事が多く、切片項も忘れているような気がしなく

    池田信夫と相関係数と45度線
    raycy
    raycy 2013/03/24
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