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心理とreviewに関するregicatのブックマーク (11)

  • 『私はすでに死んでいる──ゆがんだ〈自己〉を生みだす脳』 「自己」という感覚を脳はどのように構築しているのか - HONZ

    「私はもう死んでいる」(コタール症候群)、「この足は断じて自分の足ではない」(身体完全同一性障害)、「目の前にもうひとりの自分が立っていた」(ドッペルゲンガー)──わたしたちが「自己」と呼んでいるものに歪みを生じさせるような、驚くべき症例と経験の数々。書は、それらの症例と経験を手がかりとしながら、「自己とは何か」という大問題に迫る挑戦的な一書である。 挑戦的なだけではない。書は痺れるくらいにエキサイティングでもある。書をそれほどエキサイティングにしているのは、以下のふたつの要素だ。 まずひとつは、痛ましくも興味深い症例と経験のストーリー。書は、アルツハイマー病、統合失調症、自閉症といったよく耳にする疾患だけでなく、コタール症候群、離人症性障害、ドッペルゲンガーといったあまり知られていない疾患や経験もとりあげている。そして、それらの症例や経験をドラマチックに紹介する筋立てがじつによく

    『私はすでに死んでいる──ゆがんだ〈自己〉を生みだす脳』 「自己」という感覚を脳はどのように構築しているのか - HONZ
  • サイコパスと診断された科学者が語る『サイコパス・インサイド』 - HONZ

    サイコパスの研究者が、サイコパスであったーーこの衝撃の事実を皮切りに物語は始まる。科学者視点による所見と自分自身のこれまでの体験、二つの視点が交錯する中で際立っていたのは、両者の間に大きな乖離が存在するということであった。 サイコパスの定義とは今日の科学の進展をもってしても、未だ不確かなものである。一般的に「精神病質」と表されるサイコパスの特徴は「平板な感情の動き」に代表される対人関係における共感性の欠如である。映画『羊たちの沈黙』『ハンニバル』に登場するレクター教授のような、古典的なサイコパス像を思い出される方も多いだろう。 だが決して凶悪な殺人犯だけを指すわけではなく、人を思い通りに操縦しようとしたり、嘘に長け、口がうまく、愛嬌たっぷりで、人の気持ちを引きつけたりといった特徴も含むものとされる。むろん著者は人殺しや危険な犯罪を犯したことなどなかったし、それどころか科学者として成功し、幸

    サイコパスと診断された科学者が語る『サイコパス・インサイド』 - HONZ
  • 『人間をお休みしてヤギになってみた結果 』ヒトは悩むことから解放されるのか? - HONZ

    ゴルフのラウンドをする度に痛感するのが、脱力することの難しさである。ただ脱力すれば良いということであれば話は簡単だ。しかし少しでも遠くへ飛ばしたいという欲望を充足させながら、力を抜いていくという行為は案外難しい。 その点、ゼロからトースターを作ったことでも知られる書の著書トーマス・トウェイツは、明確な目標へ向かいながら全力で脱力するということに関して、稀有な能力を持っている人物だ。 今回彼が挑戦するのは、人間をお休みしてヤギになるということ。ちなみに書は、文庫版で全271ページである。そのうち実際ヤギになって暮らすパートは、最後の55ページほど。全体の約80%の分量が、人間を休むとはどういうことか、ヤギになるとはどういうことかを考察しながらの、準備段階に割かれている。 これだけ事前準備に精力を注いでいれば、スタートする頃には疲労感も手伝って、おのずと脱力されることだろう。いわゆるパワー

    『人間をお休みしてヤギになってみた結果 』ヒトは悩むことから解放されるのか? - HONZ
  • 『道徳感情はなぜ人を誤らせるのか』悲劇への道は、共感の心で敷き詰められている - HONZ

    SNSに功罪はあれど、「共感をベースにした評判社会」という言葉には何か否定できないものがある。他人の喜びや悲しみといった感情に寄り添うことができ、周囲からどのように思われているか可視化される状態であれば、さぞかし理想的な社会になるはずだ。 しかし、実態はどうだろうか。人々のつながりは誹謗中傷や負の感情を運ぶ時の方が勢いが強く、よりスキャンダラスな方向へと向かっているような印象も受ける。ならば、世の中は「共感をベースにした評判社会」とは違う方向へ進んでいるのだろうか? 書はこのような疑問に対して、明快に回答する。むしろ、これは共感をベースにしているからこその動きであると説くのだ。驚くのはそのメカニズムを、1942年と1950年に起きた2つの冤罪事件(浜松事件と二俣事件)、そして1759年に出版されたアダム・スミスの『道徳感情論』という2種類の要素から解き明かしていることだ。 なぜ、SNS

    『道徳感情はなぜ人を誤らせるのか』悲劇への道は、共感の心で敷き詰められている - HONZ
  • 意識は過大評価されている──『意識と脳――思考はいかにコード化されるか』 - HONZ

    意識をめぐるは最近も『意識はいつ生まれるのか――脳の謎に挑む統合情報理論』や『意識をめぐる冒険』が職の神経科学者によるノンフィクションとして発表されるなど、翻訳(と出版)が比較的に途絶えない分野である。書の著者もまた職の認知神経科学者ではあるが、特異性は徹底した実証に基づく意識の定義、およびその応用可能性についての地道な記述であろう(他の著者が実証に基づいていないわけではなく、アプローチの違いであることは後述)。 書では哲学的な謎を、実験によって検証可能な現象へと変えた戦略を詳しく解説する。この変化は「意識のより明確な定義」「意識的知覚を実験によって操作できるという発見」「主観的な現象に対する尊重」という三つの要素によって可能になった。 書の構成は意識の定義、無意識及び意識の働きの実証的考察、意識に関する理論的仮説の提起、臨床現場への応用事例と段階を踏んで、かつ自身らの物を含む

    意識は過大評価されている──『意識と脳――思考はいかにコード化されるか』 - HONZ
  • 『脳はすごい』としか言いようのない『ある人工知能研究者の脳損傷体験記』 - HONZ

    自動車の追突事故。幸いなことに外傷はなく、CTスキャンなどの検査でも異常は認められなかった。しかし、さまざまな神経障害で生活に大きな支障をきたす外傷性能損傷(脳震盪症)患者となった著者・クラーク・エリオットは人工知能を専門とする大学教授。ほんとうにそんなことがあるのかと思えるほどに複雑な症状だ。つらかっただろうに、よく自らの症状をこれだけ克明に記録したものだ。 典型的な症状は、考えることができなくなったり、意思決定ができなくなったりすることだ。と聞いても、どういうことかわからないだろう。たとえば、リンゴとサラミをまな板の上に置いて切ろうとする。なんら意識することなく、どちらかから切ればいいのである。ところがエリオットにはそれができない。このことは、日常的に無意識におこなっている、と思えるようなことにも意思決定という過程がバックに必要であることを示している。 『ときに私の症状は、はなはだ滑稽

    『脳はすごい』としか言いようのない『ある人工知能研究者の脳損傷体験記』 - HONZ
  • 人、かくもたやすく悪魔になれり 『ルシファー・エフェクト ふつうの人が悪魔に変わるとき』 - HONZ

    「あなたも悪魔になってしまう可能性がある。」と言われても、自分は大丈夫だ、と思う人がほとんどだろう。しかし、このを読めば考えが変わるに違いない。いや、このを読んで考えを変えたほうがいい。 1971年におこなわれた『スタンフォード監獄実験』の責任者フィリップ・ジンバルドーが、その全貌とその後の展開を著しただ。きわめてシンプルな実験である。夏休みに大学生のアルバイトを募り、くじ引きで看守役と囚人役に振り分ける。そして、二週間にわたってスタンフォード大学心理学部の地下に設けられた模擬監獄に閉じ込める。目的は、刑務所における囚人と看守の心理状態の観察。 参加したのは、専門家によって心理的・精神的に正常であると認 められた大学生。くじびきで囚人に9名が、看守に9名が割り振られた。看守は3名ずつが三交代で「勤務」にあたる。かなり高度とはいえ、いわば「監獄ごっこ」である。なんだそんな実験か、と思わ

    人、かくもたやすく悪魔になれり 『ルシファー・エフェクト ふつうの人が悪魔に変わるとき』 - HONZ
  • 『サイコパス 秘められた能力』ジーンプールに漂うサイコパス - HONZ

    サイコパスと呼ばれる特異な人格を形成した人々が存在する。これらの特異な人格を持つ人々が、いつ私たち人類のジーン・プールに紛れ込んだのかはよくわからない。しかし、その存在は古くから知られていた。たとえば、北欧の歴史や神話に登場するベルセルクたち。彼らは軍神オーディーンの神通力で恐怖を克服し、猛り狂いながら敵を殺す。彼らを擁する共同体にとって、それは守護天使であり、敵にとっては死神の化身だ。だが、現実は違う。ベルセルク達は時に自らの共同体の人間にも牙をむける。良心の呵責を感じず、他者に対する冷酷な性格は、ベルセルクと共に生きる人々にとっては両刃の剣だ。王たちは、どんなに彼らが勇敢で武技に長けていても護衛兵にすることは決してなかったという。彼らは狂戦士という名のプレデターなのだ。 捕者としての彼らの能力には驚くべきものがある。ファブリッツォ・ロッシという悪名高い連続殺人犯がインタビューで、いい

    『サイコパス 秘められた能力』ジーンプールに漂うサイコパス - HONZ
  • 「あがり」は味方にできる - 情報考学 Passion For The Future

    ・「あがり」は味方にできる 「大事なのは「あがり」のコントロールです。心臓のドキドキは大き過ぎると課題の達成に差し障りますが、最適な状態に保つことができれば、反対にあなたの力になります。」 あがりの正体を知り対処法を身につける。あがり研究が専門の心理学者の。面接、プレゼン、スピーチ、スポーツ競技などさまざまなシーンでのあがり対策をとりあげる。 自意識と対人不安がまねくあがり。集団の調和を大切にする日人の対人不安の値はアメリカ人より高いそうだ。日教育では人前でのスピーチの訓練や実践の機会が少ないという理由もあるだろう。泣きながら震えながらプレゼンする大学生のあがりをときどき見る。 あがりは生理的覚醒(心臓のドキドキや体の震え)と認知的不安(嫌な考え)によって起こるもので、いかにこの二つの要素をコントロールするかが大切だと著者は結論している。 あがっている状態で行ったパフォーマンスのう

  • 快楽の脳科学〜「いい気持ち」はどこから生まれるか - 情報考学 Passion For The Future

  • 自己評価の心理学―なぜあの人は自分に自信があるのか - 情報考学 Passion For The Future

    ・自己評価の心理学―なぜあの人は自分に自信があるのか 自己評価について総合的、徹底的に理解することができる充実した内容。自己分析、恋愛結婚、子育て、友人関係、仕事などに役立つ知識がたくさんみつかった。 自己評価とは、 ・自分を愛する ・自分を肯定的に見る ・自信を持つ の3つの要素の複合体であると著者は定義する。わかりやすく公式にすると 自己評価の栄養源=愛されているという気持ち+能力があるという気持ち ということだ。そして自己評価は高い/低いという軸と、安定/不安定という軸をもつ。何がこの自己評価の状態に影響をもたらすのか、有名な自己評価についての理論が整理されている。 1 成功と願望の関係 成功に満足できるかどうかは望みの高さと関係がある。自己評価=成功/願望 2 投資理論 自己評価の高い人は積極的に行動して成功しますます自己評価を高める 3 鏡映的自己 他者が自分のことをどう思って

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