電力や水道などの重要インフラを狙うサイバー攻撃は絵空事ではない 2015年8月末、名古屋工業大学キャンパスで産業制御システム分野ではユニークな、対話型のサイバー攻撃対策ワークショップが開催された。「名古屋工業大制御系サイバーセキュリティ・ワークショップ」と題した同イベントは、重要インフラに対するサイバー攻撃の最新事情を理解・体験し、講座と演習を通じてどのような対策が可能かを考える2日間のワークショップで、今回が2回目になる。他にはない取り組みとして関係者からの注目は高く、石油化学や電力などの大手26社、約70名の現場担当者とマネジメント層が参加した。 電力やガス、水道などの重要インフラを狙ったサイバー攻撃は映画や小説の中の絵空事ではない。そう世界中にはっきり認識させたのは、2010年にイランの核施設でウラン濃縮遠心分離器を大規模破壊したマルウェア「Stuxnet」だ。 以降、欧米のエネルギ