矢沢 久雄 グレープシティ アドバイザリースタッフ 連載の第1回で,コンピュータを構成するICの中に論理演算を行う論理回路が入っていることを説明しました。連載の第2回では,論理演算の用途として,マスク,セット,反転があることを説明しました。ここで疑問に思ってほしいことがあります。それは「どうやらコンピュータは,ハードウエア的に論理演算しかできないようだ。それでも,コンピュータで加減乗除の四則演算ができるのは,なぜだろうか?」ということです。実はコンピュータは,論理演算を組み合せて四則演算を行うのです。今回は,その仕組みを説明しましょう。 ●シンプルな半加算回路 コンピュータは,内部的にすべてのデータを2進数で取り扱います。そこで,2進数で四則演算を行う方法を考えてみましょう。まずは加算からです。2進数の1けた(0または1)で加算を行うと,その結果は表1[拡大表示]のようになります。ここでは