最近、テレビ番組などでも取り上げられ、注目を集める「筋膜」。私たちの身体は、筋肉、骨、臓器、神経、血液など多くの器官で構成されている。そのなかでも意外に知られていない器官が筋膜だ。今回は、その働きなどを紹介しよう。 筋膜は英語で「Fascia」といい、タンパク質からできているコラーゲン繊維の薄い膜のことだ。その名から誤解されがちだが、筋肉だけではなく、あらゆるもの(内臓、血管、神経、骨など)を包んでいる。その役割は「各組織を適切な位置に保つ」ことにある。 コラーゲン繊維から成っているために、筋膜には可塑性(かそせい)が備わっていることが特徴だ。力を加えて変形を与えると、力を取り去っても歪みがそのまま残る。つまり、一定の力で加わり続けたりすると筋膜が変形して、それの“ネジレ”や“癒着”が起きて、身体にさまざまな影響を与える。 筋膜のネジレや癒着が起こす不調とは 筋膜がねじれたり癒着したりする