プーチン大統領の最側近とされる旧KGB人脈の暗躍に焦点を当てた書籍に対し、「石油王」アブラモビッチ氏が名誉毀損で訴訟を起こした。失脚した元オリガルヒたちの証言と内部情報を駆使した同書には、衝撃的な記述も含まれている。 7月末にロンドンで始まった1冊の本に対する名誉棄損裁判は、ロシアの内政に微妙な影響を与えるかもしれない。 原告は、「石油王」と呼ばれたロシア有数の大富豪で、英サッカーチーム「チェルシー」のオーナーであるロマン・アブラモビッチ氏。訴えられたのはウラジーミル・プーチン大統領と政権幹部の暗躍を描いた『Putin's People:How the KGB Took Back Russia and Then Took On the West』の著者で『ロイター通信』の女性記者、キャサリン・ベルトン氏と出版社だ。 アブラモビッチ氏は、同書が「チェルシー買収はプーチン大統領の指示」などと書