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ブックマーク / kangaeruhito.jp (5)

  • 「銀ブラ」 | 分け入っても分け入っても日本語 | 飯間浩明 | Webでも考える人 | 新潮社

    「銀ブラ」とは何のことですか。答え、東京の銀座通りをぶらぶらすること。 と、分かっている人には1行ですむ話が、近頃はややこしくなっています。「銀ブラの語源は別にある」とする珍説が、インターネット上に拡散しているからです。その珍説とは、「『銀ブラ』は、銀座でブラジルコーヒーを飲むことだ」というもの。これはまったく根拠のない説で、厳しいことばを使えば「ガセ」と形容すべき説です。 今回の狙いは、「銀ブラ」の語源の確認にとどまりません。情報が「ガセ」かどうかを判断する方法や、「ガセ」を容認する危険についても触れます。 まずは、「銀ブラ」の語源。これは辞書に当たるのが基です。『日国語大辞典』第2版に出てくる最古例は『新らしい言葉の字引』(1918年)という新語辞典で、〈銀ブラ 銀座の街をぶらつく事〉とあります。大正生まれの新語です。 俗語辞典の類では、『秘密辞典』(1920年)にも〈【銀ぶら】銀

    「銀ブラ」 | 分け入っても分け入っても日本語 | 飯間浩明 | Webでも考える人 | 新潮社
  • 「文藝評論家」小川榮太郎氏の全著作を読んでおれは泣いた | 「文藝評論家」小川榮太郎氏の全著作を読んでおれは泣いた | 高橋源一郎 | Webでも考える人 | 新潮社

    9月21日・金曜日の夜、「新潮」編集部から電話がかかってきた。おかしいな、と思った。今月は締め切りがないはずなんだが。イヤな予感がした。おれは、少しの間ためらった後、電話に出た。案の定だ。「新潮45」問題について書いてくれ、というのである。確かに、おれは、その問題についてツイッター上で少しだけ発言をした。それだけだ。面倒くさいし、何のためにもならない。一晩考えさせてくれ、といっておれは電話を切った。でも、おれは引き受けることになるだろう、と思った。「面倒くさくて何のためにもならないことは引き受けろ」は、高橋家の家訓なのである。 書くことを引き受けてすぐ、「新潮45」の休刊が決まった。この問題については、考えなければならないことが多すぎる。休刊の是非、雑誌や出版社、あるいは著者のあるべき姿、休刊の直接的な原因となったであろう小川榮太郎氏の論文の問題点、当該特集号の各投稿それぞれが抱えている異

  • 白人の街、黒人の街 | チャーリーさんのタコスの味――ある沖縄史 | 宮武実知子 | 連載 | 考える人 | 新潮社

    (前回までのあらすじ)「チャーリー」こと勝田直志さんは、コザの有名なタコス専門店の創業者。沖縄戦を生き延びて奄美の喜界島に帰還。1950年、再び沖縄に渡り、コザの歓楽街だった八重島でレストランを営んだ。 10年前、私が沖縄へヨメに行くと決めた頃、親切な人たちがたびたび真顔で心配してくれた。「街は米兵だらけで治安が悪いんでしょ?」、「くれぐれも夜道を歩かず戸締りは厳重に」、「ハブに気をつけて」。 実のところ、那覇や宜野湾の街中で米兵を見かけることはない。週末の繁華街では良からぬ輩が夜遊びするかもしれないが、地味な主婦には無関係。飲店や公園で出会う米兵は礼儀正しく、厳重に指導されているのか日人と目を合わせない。ハブはこの10年、動物園かハブ酒の中身でしか見たことがない。 だから、「復帰前のコザの街は、米兵が我がもの顔で暴れまわる無法地帯だった」というのも、無知ゆえの思い込みらしい。 初めて

    白人の街、黒人の街 | チャーリーさんのタコスの味――ある沖縄史 | 宮武実知子 | 連載 | 考える人 | 新潮社
  • Read between the lines. | 村井さんちの生活 | 村井理子 | 連載 | 考える人 | 新潮社

    すっかり冬らしくなった。夏、あれほど青くキラキラと輝いていた琵琶湖は、水を鉛色に変え、所々で白い波を立てている。対岸に見える山々の頂上には灰色の雲がどっかと居座っており、北部の厳しい寒さを物語る。このあたり特有の強い風が吹き始めたこともあって、外出するたびに寒さが身に染みる。庭木が美しく紅葉したと思った翌日には、ほとんどの葉が遠くまで吹き飛ばされている有り様だ。落ち葉の掃除をする必要がなくなったのはいいことだけれど、このあたりの自然の厳しさは、その美しさをのんびり堪能する時間なんて与えてはくれない。 慌ただしい日常は相変わらずだ。冬休みまでのカウントダウンが始まった息子達の頭の中は、クリスマスプレゼントのことでいっぱいである。やれゲームだ、ドローンだと連日騒ぎ立てる。「そんなに高いもの、うちには必要ありません」と言えば、「いや、僕らはあくまでもサンタさんに頼んでいるんで」と返ってくる。減ら

    Read between the lines. | 村井さんちの生活 | 村井理子 | 連載 | 考える人 | 新潮社
  • ソマリ人のきもち | 高野秀行 | 連載 | Webでも考える人 | 新潮社

    『謎の独立国家ソマリランド』『恋するソマリア』を上梓し、今や"ソマリアにいちばん詳しい日人"となったノンフィクション作家・高野秀行。ソマリア周辺やソマリ人についての日々情報収集を行い、ときには現地に赴くなかで得たソマリホットニュースを逐次掲載。

    ソマリ人のきもち | 高野秀行 | 連載 | Webでも考える人 | 新潮社
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