水不足の影響により,世界は今,大きなリスクにさらされている。とりわけアフリカおよびサハラ以南の地域の状況は深刻である。最近の南部アフリカ開発共同体(Southern African Development Community:SADC)の報告書は,2017年半ばまでにレソト,マラウイ,スワジランド,ジンバブエの4か国が国家レベルの干ばつ非常事態を宣言しなければならなくなると示唆している。またアフリカ南部のモザンビークや南アフリカ共和国などの国々は,すでに地域的な干ばつ非常事態宣言を出している。2015年10月から12月までの雨量は過去35年で最低を記録し,特に12月は近年最高レベルの暑さとなった。衛生的な食糧と飲料水の不足によって,コレラの流行が引き起こされた。 同報告書によれば,2015年~2016年は雨量が少なく,高温になるであろうと予測されていたため,各国政府は干ばつの影響を緩和する