2021年2月5日 慶應義塾大学医学部 国立がん研究センター 慶應義塾大学医学部整形外科学教室の弘實透助教と国立がん研究センター研究所細胞情報学分野・連携研究室の増田万里主任研究員らの研究グループは、主に小児から青年期に大腿(ふともも)や膝関節(ひざ)周囲の骨に発生する悪性腫瘍である骨肉腫に対する新しい治療法の標的となる分子を発見しました。本研究グループはタンパク質リン酸化酵素のTNIK(TRAF2 and NCK-interacting protein kinase)が骨肉腫で高頻度に活性化しており、TNIKの阻害薬が骨肉腫細胞の増殖を抑制するのみならず腫瘍細胞を脂肪細胞に変化させることを、マウスを用いた動物実験で明らかにしました。 本研究成果は、2021年1月5日(米国東海岸時間)に、米国機関紙『JCI Insight』の電子版に掲載されました。 1.研究の背景と概要 私たちの体は、異
アジア太平洋がん予防機構 (APOCP)とアジア国立がんセンター協議会(ANCCA)はコロナ禍及び終息後のがん患者のケアにおける課題や対応について話し合う会議を12月4日に共催しました。 がんケアにおける新型コロナウイルスの国際的な影響に関して、国際がん研究機関(IARC)のPartha Basu検診部長が基調講演を行いました。続いて参加14か国のがん研究センター、その他団体や研究機関の代表者、及びCity Cancer Challenge Foundation(C/Can)代表が、コロナ終息後の取り組みや対応策及び期待される新基準について意見交換を行いました。 本会議はアジア国立がんセンター協議会(ANCCA)の事務局をつとめる当センターが調整・運営を担当し、アジアのがん専門機関間の情報共有をもとにポスト・コロナの体制について意見交換しました。会議の成果は国立シンガポールがんセンターのH
1.はじめに:希少がんは希少ではない 希少がんは、「新規に診断される症例の数が10万人あたり年間6例未満のがん」と定義されている。すなわち、希少がんとは、発症数によって定義されるがんである。メジャーがんである肺がんが、新規に診断される症例数は10万人あたり年間200人程度であることを考えると、希少がんの希少性がご理解いただけるだろうか。がんは一般に、由来する臓器、組織型、分子背景などを基に分類される。「発症数」という個々の腫瘍の生物学的特性とはまったく異なる切り口で定義される希少がんは、その構成がユニークである。すなわち、希少がんには200種類近くもの異なるがんが含まれており、その内訳は、肉腫、悪性脳腫瘍、皮膚腫瘍、眼腫瘍、中皮腫、副腎がん、神経内分泌腫瘍など実に多岐にわたる。 個々の希少がんの症例数は「新規に診断される症例の数が10万人あたり年間6例未満」と少ないのだが、そのような希少な
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