天体観測の最適地の一つとされる南極に日本初の天文台を設置する構想を、東北大大学院理学研究科の市川隆教授(赤外線天文学)や筑波大などのグループが進めている。2010年度にも試験観測を行い、12年度の本格稼働を目指す。国際競争が激しさを増す南極での天体観測に参入し、約120億年前の宇宙地図作製などを行う。 南極天文台構想は5年ほど前に浮上した。10年度に6年計画で始まる南極観測第8期計画に採択され、研究が本格化する見通し。 南極に現在派遣されている第51次隊に天文学者が初めて同行し、10年1月中にも事前調査を始める。同年11月に出発する南極地域観測隊にも研究者が参加し、小型の赤外線望遠鏡や電波望遠鏡で試験観測する予定だ。 南極の中央高地は乾燥しており、赤外線観測に深刻な影響を及ぼす水蒸気量が少ない。低温で大気熱による障害も少ない上、快晴の日も多いことから観測に向いている。 昭和基地から