発祥地の英国から世界各地に広がり、日本でも約90年の歴史があるボーイスカウトが岐路に立っている。ピーク時は全国で33万人いた会員は現在ほぼ半減。都道府県ごとの組織も統合を余儀なくされ、兵庫県では今春、18から14地区に再編される。少子化や子どもの習い事の多様化に加え、「野外でたき火をしないで」などの苦情が寄せられ、活動の場を追われている現状がある。(木村信行) 「こんな時間に何をやってるんだ。早く帰れ」。西宮市のあるボーイスカウト団は昨年夏、午後9時ごろに公園で活動をしていたとき、近所の住民に怒鳴られた。 ボーイスカウトは異年齢の少年少女が6、7人の班に分かれ、キャンプなどの野外活動や地域での奉仕活動に取り組む。 夜間に行う「夜活動」には、暗がりでロープを結ぶ訓練をしたり、星を観察したりする目的がある。だが「最近は、夜に子どもがいると疑いの目で見られてしまう」とリーダーの大垣孝介さん(22