「えっ、なんでウチが解体されたことになってるんですか……」 私が、1枚の書類を示すと、このビル内で今も店舗を経営する、その会社の社長は絶句した――。(集中連載第5回/#6へ続く) 三宮の再整備から取り残された「さんプラザ」 神戸の中心で、最大の繁華街である三宮町1丁目に建つ大型商業ビル「さんプラザ」。 私はこれまでの記事で、このビルが、三宮の“玄関口”にあるにもかかわらず、神戸市の「再整備」から取り残されている背景に、同ビルの管理会社で、市の外郭団体である「神戸サンセンタープラザ」(以下「サン社」)と、高層階所有者との約30年に及ぶ訴訟があることを指摘した。 そして、サン社が、その所有者を排除するため、元「地上げ屋」と手を組み、サン社が長年にわたって、「所有者に対して保有している」との主張を続けている債権「約929万円」の一部を売り渡すという、神戸市のコンプライアンス条例に抵触しかねない“