ついに7月末、金賢姫元死刑囚が来日し、数日間日本のメディアを賑わした。かねてから民主党政権が金元死刑囚の来日に積極であることは広く伝わっていて、関係者の間では、わざわざ呼び寄せるほどの成果があるのかどうか、疑問視する声が絶えなかった。 VIP待遇だった金元死刑囚 喜んだのは誰? 結果、案の定期待された“新情報”なるものが金元死刑囚の口から飛び出すことはなかった。期待を煽ったその分だけエネルギーの持って行き場を失ったメディアは、やれ「特別待遇」だの「公費の無駄遣いだ」と一斉に攻撃に転じる後味の悪い幕切れとなった。 「政権浮揚のイベントにしたかったのでしょうが、それさえ何も効果がなかった。おためごかしもたいがいにしろっていう話ですよ」 と外務省の元職員は吐き捨てる。 「逮捕状を出していた相手をVIP待遇で出迎えるという前例をつくったことで、喜んだのは同じように逮捕状が出ていて帰国を望んでいる『