女子は体のかゆい箇所を「つめ」でかかないらしい。指の「はら」でかくらしい。私は四半世紀ほど生きてきたのだが、それはなかなかの衝撃だった。私は体のかゆい箇所を「つめ」でかく。さらに、すべての人間は痒い箇所を「つめ」で掻く、と当たり前に思っていた。 その女子が言うには、かゆいころを「つめ」でかくと肌が傷つくので、指の「はら」でかくのだという。女子は美を保つライフハックを身に付けながら成長するのだ。男である私は、そんなこと考えもしなかった。 指のはらでかく そのときは特にかゆい箇所は無かったのだが、試しに自分の肌を指の「はら」でかいてみた。指の「はら」で「かく」など、始めてだった。 その結果、まったく「かいている」気がしなかった。この行為に「かく」という言葉を使うのは誤りであるような気さえする(おそらく、「こする」という言葉が適切だ)。実際に肌がかゆいときに指の「はら」でかいても、まったく効果が