子育てに仕事にせわしなく追われながら日々繰り返される「日常」。ある小児科医がこれまでに出合った光景は、その何気ない「日常」がどれほど幸せなものなのか、立ち止まってかみ締め、向き合う機会を与えてくれます。書籍『君がここにいるということ』(草思社)に収録された5つの物語を、5回にわたってお届けしていきます。 第3回は、4歳で白血病と診断されて治療を続け、7歳で再入院した女の子の物語です。「お医者さんになりたい」と願い前向きに生きる彼女の姿と、それを支える母親の愛に強く胸を打たれます。 1週間熱が下がらず、白血病の検査で入院 由香子ちゃんと出会ったのは、私が研修医2年目で、彼女が4歳の頃、幼稚園の年長組さんだった。1週間熱が下がらず、かかりつけの小児科医で血液検査をしたところ、白血病の疑いが濃いということで、大学病院に紹介されてきた。直ちに入院となり、骨髄穿刺という検査をすることになった。 骨髄
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