JR以外では日本一の路線長を誇る近鉄。その特徴のひとつが、ほぼ全線を網羅している特急ネットワークです。その魅力に迫ります。 戦前までさかのぼれる「名阪特急」 大阪・京都・奈良の各都市に路線網を広げる近鉄(近畿日本鉄道)。その路線は近畿一円から名古屋や伊勢志摩にも伸び、営業キロは501.1km(ケーブルカーを含む)と、JR以外の民営鉄道としては日本一の規模です。これらの路線は、大都市近郊では最大10両編成で通勤通学客を運ぶ一方、都市間の中距離移動や観光客輸送、そして山間部に住む人々の大切な足として、さまざまな役割を果たしています。 そんな近鉄の大きな特徴は、主要路線のほとんどで特急列車が運転されていることです。 近鉄のほぼ全線で走る近鉄特急。異種形式の併結も多く見られる。写真は12400系+30000系「ビスタカー」(伊原 薫撮影)。 「近鉄特急」と言われてまず思い浮かぶのが、大阪と名古屋を