はい。そうじゃないほうがいいですね。 じつは、今日のこの場を 提案させていただいたのは私なんですけど、 これまでに宮本さんは『ピクミン3』について 何度かしゃべってはいるんですが、 まだ、宮本さんの話の ほんとうにおもしろい部分を 引き出せていないような気がするんですよ。 そこで、糸井さんとお話しすることで これまでに語られてないことが ことばになったらいいなと。
ぼく、飛行機で ロンドンのヒースロー空港に 下りていくときの感じが好きなんです。 どこが好きかというと、 街並みの中で古さが肯定されているところ。 「直しようがないから」と肯定されているところが きれいだなと思います。 まっさらなところからきれいにデザインされた 街というのもありますけど、 いろんな要素が混じっていて、 そういうつくりかたでは出せないような 魅力を感じるんですよね。 はい、わかります。 古さが肯定されている街って、 2つの建物どうしを あいまいにつないでいるような空間とか、 「これ誰の場所?」みたいな場所が なんともいえない良さを作り出していますよね。 クリストファー・アレギザンダーという アメリカ人建築家の 「パタン・ランゲージ」という考え方が、 その、「あいだのなんともいえない良さ」に 近い発想かもしれません。 その人は 「アルファベットは組み合わせることで、 ただの文
はい(笑)。 大阪府の府営公園をつくる仕事を しているのですが、 公園の整備や管理をする人々として、 「パークレンジャー」というボランティアを 養成しているんです。 そのボランティアに応募してこられる方の多くが 定年退職された男性なので、 結果的におじさんのコミュニティをつくっている、 ということではあるのですが。 応募してきてくれたおじさんたちが 1年がかりの養成講座を受けて、 公園づくりの技能を身につけていきます。 1期につき、だいたい30人くらいのチームで、 みんなで竹を切ったり植物について学んだりしながら、 公園の整備の具体的な方法を学びます。 そして、講座が終わったあとは、 実際にその公園のパークレンジャーとして 活動していただきます。 いま受講しているのが4期生。 すでに受講し終えた1期生、2期生、3期生は もう公園の中に入って、 どんどん竹を切ったり道をつくったりしています。
もともとぼくは 「公園って、管理はされていても、 誰かが運営している感じがないのは どうしてなんだろう」 と思っていたんです。 美術館や博物館は、学芸員の人たちが いろいろやっている感じがあるけれど、 公園にはそういう印象がありません。 調べてみたら、今まではただ公園というハコを つくっていただけだったんですね。 ですから、あるときから、 「公園にも『運営』していくという 発想が必要なんじゃないか」 と考えるようになりました。 そんなときにちょうど、 そういう工夫をしている公園が アメリカにあると聞いて、2003年頃に いくつかの公園の運営の実例 「パークマネジメント」を見てきたんです。 訪れたなかで、サンフランシスコの 「クリッシーフィールド」という国立公園の ディレクターと仲良くなりました。 そこは、もともと軍用地だった場所を 公園にしたところなんですが、 運営を民間のNPOに委託して
「理屈で固めてつくって、理屈抜きで決める」 「思いつくまで、やめない」というのは、 足腰の強さも必要ですけど、 なにより柔軟性が要りますよね。 そうですね。 だから、「核となるアイデア」を見つけたときと、 それが見つからないときのメリハリは はっきりしてないとダメですね。 どれに対しても同じ温度で取り組んでると、 「仕事が増えるばっかりよ?」 という話になってきますから。 けっきょく、 おもしろいテーマほど広がるんですよ。 で、広がるほど難しくなる。 なぜこんなに難しくなったかというと、 やっぱりおもしろいからなんだな、 ということが最近よくあるんです。 つまらないものは、スッとできるんですよ。 おもしろいものも、狭くつくっちゃえば、 とりあえず形にはなったりするんです。 でも、広くなる可能性のあるものを どうやって形にするかを どうしても考えてしまうんですよね。
あのね、ま、言いづらい話なんですけど、 世の中には「頭のいい人になりたい人」というのが すごくたくさんいてね、多くの場合、 その人たちが迷惑をかけるんですよ。 なぜかというと、頭のいい人になりたい人たちは、 すごく頭のいいことを考えて、 みんながそれに従えば 世の中がよくなると思ってるんです。 で、法律や、決まりや、 マニュアルをたくさんつくる。 それに従えば幸せがやってくると思って。 「1、こうするといいぞ」とか、書くんです。 でも、みんなは、頭のいい人の思惑を外れて、 「えっと、4番はなんでしたっけ?」とか、 「俺、じつは読んでないんですよ」とか、 「まぁ、いいじゃないですか」とか言うわけです。 そうすると、頭のいい人になりたい人たちは、 「どうして大衆ってバカなんだろう」って もう、涙を流しながら思うんです。 「だから戦争が起こるんだ」とか言うんです。 でもね、彼らが言うようなことが
そうですね。 新しいものに取り組むときって、 最初のころはやっぱり ネガティブな意見ばっかり出てくるんですよ。 「Wiiで体重を量る」と言っても、 「体重はお風呂場で量りますよね」とか、 「リビングで裸になる人はいませんよ」とか、 「リビングに体重計があるとジャマです」とか、 そういうことばっかり言われる。 だから、そのたびに、 「リビングに置いておきたいと 思われるようにつくればええのやから」 というような話をしていくわけですけど、 まぁ、そういうことの連続ですからね。
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