なりたい夢があっても食っていけるかわからない。そんな狭間で多くの人が道に迷う。カルト的人気を誇る漫画『国民クイズ(作画)』や『バカとゴッホ』などの作品で知られる漫画家・加藤伸吉さん(58歳)は、今年から生活保護を受給して生活している。それでも漫画という道を選んだことに後悔はないと語る、その理由とは――。 「部屋、本当に汚いよ。シャレにならないくらい。いいの?」 連絡がつながらず、自宅にダメ元で伺うと、突然の訪問に戸惑いながらも部屋へ通してくれた。加藤さんは、都内の下町にある生家で、一人でひっそり暮らしている。 「1年前にね、この家に戻ってきたんだ。居候していた仕事仲間のところを追い出されたから、行く当てもないから仕方なく。『家に帰ったら負けだ!』と思って出ていったのが30年前。いろんな記憶が蘇ってきて嫌だね。ここでね、おとんとおかんと妹と、4人で暮らしていたわけよ」 3LDKの自宅は、ゴミ