僕は吹田市の国立循環器病センターにかつぎこまれた。そこに一週間ぐらい入院、その後は別の病院に移った。 当時はまだ、この病気のことを甘く考えていた。突然の入院だから、すぐに退院できるだろうと思っていた。 まさか四ヶ月近くもいるはめになるとは思っていなかった。 正直に言って、最初の頃、つまり入院した時期のことはあまり書きたくない。記憶があいまいなうえに、どこまでが現実に体験したことことなのか、よく分からないからだ。 たとえば、看護師さんにつれられてトイレに行ったことがある。当時の僕は車椅子で移動しており、一人ではトイレにも行けなかった。最初の何日かは、看護師さんにズボンを下してもらわないといけなかったのだ。また、万一の場合に備えて、パンツではなく成人用のおむつをつけていた。 用を足し終えて、洗面台で手を洗った。その時、ついでに顔も洗った。朝起きたら顔を洗うのが当たり前だ。 しかし看護師さんが、