議論の大前提として、まずデフレとは何かを明確にしておく必要があります。小幡さんもいうように、物価の下落は必ずしも不況とは関係なく、それ自体が悪いとも限らない。さらに物価が下落するのは、マネタリーな要因とリアルな要因があります。メールマガジンの第2号の一部を引用すると、 デフレーションとは、経済学の定義では「通貨供給の減少によって一般物価水準が下落する」マネタリーな現象です。物価の下落によって実質資産は増えますが、実質債務も増えます。また実質賃金が増えますが、名目賃金が下方硬直的だと失業が増えます。このため、1~2%のマイルドなインフレが望ましいというのが、日銀を含む世界の中央銀行のコンセンサスです。 これに対して、ユニクロのジーンズが1000円以下で売られるのは、リアルな相対価格の変化であって、デフレではありません。ところが世の中には浜矩子氏のように両者を混同して「ユニクロがデフレをもたら