雲中供養菩薩像体部の垂直左側断面のエックス線CTスキャン画像。cの部分で上下に切り離し、背側に薄い板材をはめ込んでいる。中央は内刳り(奈良国立博物館提供) 平等院(京都府宇治市)は30日、鳳凰堂内の上部壁面に掛けられていた雲中供養菩薩(ぼさつ)像(国宝)のうち1体の調査で、上半身を前傾させるため、一木から彫って仕上げた像を腹部で切り離して微調整したことが分かった、と発表した。奈良国立博物館(奈良市)のエックス線CTスキャン調査で判明した。 雲中供養菩薩像は平安中期の仏師、定朝(じょうちょう)の工房で制作された52体の群像。うち、雲に乗って鞨鼓(かっこ)を奏でる姿の「南14号」(高さ62・3センチ)を調べた。 調査で、背面にある上半身と下半身の接ぎ目に、厚さ最大3・5ミリ、幅最大35ミリの薄い板材がかませてあることが分かった。体部は一木から彫り出した後、縦に二つに切り離し内刳(ぐ)りを施して
世界有数の東洋陶磁コレクションを誇る大阪市立東洋陶磁美術館(大阪市北区)が、9月1日から開催する特別展「高麗青磁-ヒスイのきらめき」で、これまで朝鮮半島の高麗時代(918~1392年)の制作としていた所蔵品の水注(すいちゅう)を、20世紀初頭に作られた再現品として展示する。ともすれば真贋(しんがん)問題になりそうな変更だが、美術館は「長い研究の成果で判明した事実。再現品でもきわめて貴重な作品だ」としている。 制作年が「1915~20年代ごろ」と改め展示されるのは、「青磁象嵌菊牡丹文瓜形水注(せいじぞうがんきくぼたんもんうりがたすいちゅう)」。所蔵品の中核を成す「安宅コレクション」の1点。花の文様が象嵌という技法で施され、透き通るような美しい釉色(ゆうしょく)が特徴だ。
上野の東京国立博物館で開催されている特別展「縄文――1万年の美の鼓動」(7月3日から9月2日まで)が大盛況だ。今月半ばには来場者が20万人を突破した。 ここ数年来、縄文はブームになっている。北海道と北東北の縄文遺跡の世界文化遺産登録に向けての運動とも連動しているのだろう。 縄文人気を支えているのは、やはり土偶や土器のユニークさだろう。想像もつかないような表現形態であり、現代アートに通じるような面白さも感じ取れる。こうした物が何千年も前に作られていたのは本当に不思議だ。 近年では、縄文人は持続可能な社会を形成し、現代人はそこに学ぶべきだといった語りも生まれている。 しかし、縄文土偶が国宝指定されるようになったのも最近だ。縄文土偶として最初に国宝となった長野県出土の「縄文のビーナス」の指定ですら1995年のことである。 北海道唯一の国宝である中空土偶の指定は2007年、山形県で出土した「縄文の
大日本印刷は重版(増刷)が決まっていない本や絶版になった本など入手困難な書籍の製造サービスを1年以内をめどに拡大する。同社グループ外の書店で受注不可の本の印刷も受け付ける。従来は同社の書籍販売サイトや傘下の丸善ジュンク堂書店(東京都中央区)で扱っていた。企業の垣根を越え、複数の書店から印刷を受注する取り組みは珍しいという。 書籍の印刷には、版を使わない「プリントオンデマンド」方式を採用する。版を用いずにパソコンからデータをプリンターに送るため、小ロットの印刷に対応可能。そのため中古市場で高値が付いていて購入が難しい作品でも一定の価格で販売できる。一般的な書籍の印刷に採用される「オフセット印刷」方式は専用の版を使う。そのため最低でも1000冊程度のロットが必要になり、少数の印刷に対応するのは難しかった。 注文があるものの在庫がないため供給できない本は専門書が多く、その合計金額は丸善ジュンク堂
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