この作品には、今日からみれば、不適切と受け取られる可能性のある表現がみられます。その旨をここに記載した上で、そのままの形で作品を公開します。(青空文庫)
この作品には、今日からみれば、不適切と受け取られる可能性のある表現がみられます。その旨をここに記載した上で、そのままの形で作品を公開します。(青空文庫)
二疋(ひき)の蟹(かに)の子供らが青じろい水の底で話していました。 『クラムボンはわらったよ。』 『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』 『クラムボンは跳(は)ねてわらったよ。』 『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』 上の方や横の方は、青くくらく鋼(はがね)のように見えます。そのなめらかな天井(てんじょう)を、つぶつぶ暗い泡(あわ)が流れて行きます。 『クラムボンはわらっていたよ。』 『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』 『それならなぜクラムボンはわらったの。』 『知らない。』 つぶつぶ泡が流れて行きます。蟹の子供らもぽっぽっぽっとつづけて五六粒(つぶ)泡を吐(は)きました。それはゆれながら水銀のように光って斜(なな)めに上の方へのぼって行きました。 つうと銀のいろの腹をひるがえして、一疋の魚が頭の上を過ぎて行きました。 『クラムボンは死んだよ。』 『クラムボンは殺されたよ。』 『クラムボン
今年も青空文庫の誕生日である7月7日がやってきました。 今日までその活動を27年間地道に続けて来られたのは、実作業で支えてくださった多くのボランティアのみなさんと、収録された作品をさまざまに楽しみ、その可能性を広げてきてくださったユーザのみなさんのおかげです。 あらためて御礼申し上げます。ありがとうございます。 さて、2023年1月1日から継続して進めて参りました「式年遷宮」ですが、ようやく新規データベースサーバの引っ越しの目処がつきました。 元旦でお知らせしていた本日7月7日からの本運用には間に合いませんでしたが、この8月から実データを構築中の新データベースに移し、そして運用を試験して大きな問題がなければ、この秋には引っ越しを完遂したいと考えています。 (もちろん試用しながら都度バグフィックスを行う必要が生じますので、夏のあいだにタイミングを慎重に見極めなければなりません) ともあれ、お
岩手県花巻に生まれる。盛岡高等農林農学科に在学中に日蓮宗を信仰するようになる。稗貫農学校の教諭をしながら、詩や童話を書いた。「春と修羅」は生前刊行された唯一の詩集。農民の暮らしを知るようになって、農学校を退職し、自らも開墾生活をしつつ羅須地人協会を設立し、稲作指導をしたり、農民芸術の必要を説いた。 「宮沢賢治」
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