午前5時半過ぎ。ベルカントが、栗東坂路を力強いストライドで一気に駆け抜けた。自らまたがって感触を確かめた角田調教師が、目を細める。 「先週(坂路で4ハロン51秒4と)しっかりやっているので、最後の1ハロンで気合をつける程度だったけど、いい動きでした」 徐々にスピードアップし、ラスト1ハロンは指揮官のわずかなアクションに反応して12秒0。余裕たっぷりに4ハロン53秒2をマークした。 今月3日、小倉でのデビュー戦(芝1200メートル)は圧巻だった。スタートこそ遅れたが、抜群の二の脚で先頭に立つと、直線では独走。2着に5馬身差をつけた。トレーナーは「正直、走るのは分かっていたけど、入厩して1カ月半くらいで、追い切りも強いところを1本だけだったからね」と舌を巻く。 2戦目の今回は中3週。調教の質量ともに万全の態勢を敷いている。「これだけやって体が増えていれば、それは筋肉が増えたということでしょう」