アルカイダ系武装組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が勢力を広げるイラク北部で、クルド地域政府の治安部隊が12日、油田地帯にある都市キルクークを掌握した。少数民族クルド人の独立機運が高まる可能性があり、イラクは国家分裂の危機が深まっている。 「キルクークはクルド地区の一部だ。妥協はしない」。地元紙によると12日に記者会見したクルド議会のユセフ・ムハンマド議長はこう述べ、キルクークを中央政府に返す意思がないことを示唆した。 クルド政府はクルド人が多く暮らす北部3州を統治する。イラク戦争後に連邦制に移行した後の2006年に発足。大幅な自治が認められている。