「最近は、広範囲にわたって被害をもたらすコンピューターウイルス(ワーム)がほとんど出現しなくなったので、『ウイルスは少なくなったんですね』といわれることがあるが、そんなことはない。被害が見えにくくなっているだけだ」。マイクロソフトのチーフセキュリティアドバイザーである高橋正和氏は2007年3月13日、日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)とJPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC)が開催したセキュリティセミナーにおいて、ウイルスの現状などを解説した。 高橋氏によれば、数年前と比べて、ウイルス作者の目的が変わっているという。「ウイルスを感染させて喜んでいる時代は終わった。現在では、インターネットに接続しているパソコンを悪用するためにウイルスをまきちらしている」(高橋氏)。パソコンにウイルスを感染させ、遠隔から自由に操れるようにして、迷惑メール(スパム)の送