【トゥーソン(米アリゾナ州南部)=西島太郎】トゥーソン近郊で8日起きた乱射事件で、ジャレド・ロフナー容疑者(22)は具体的動機を供述していないが、保守派とリベラル派の対立が深まる地域の政治環境が影響しているのではないかという指摘が出ている。 銃撃されたガブリエル・ギフォーズ下院議員(40)は、昨年11月の中間選挙で、僅差で3選を果たした。民主党に属しながら、銃所持の権利は擁護するなど、元々保守勢力の強いアリゾナ南部の事情に配慮した「バランス感覚」で支持を獲得していた。 それでも、中間選挙では、草の根保守の「茶会運動」が後押しする対立陣営の激しい攻撃を受けた。共和党のサラ・ペイリン前アラスカ州知事は、ギフォーズ氏を「落選させたい議員」の一人に挙げ、地図上で同議員の選挙区に銃の照準マークを付けてみせた。 ギフォーズ氏の相手候補陣営は、「M16(自動小銃)でギフォーズを追い出せ」とインターネット