スタートアップにおける戦略検討の特性 2000年代以降に注目を浴びる、新興企業の事業開発手法の議論に関する直接の原点は、リタ・ギュンター・マグレイスとイアン C. マクミランが1995年に『ハーバード・ビジネス・レビュー』に出版[注2]した「Discovery-Driven Planning(仮説指向計画法)」にあるだろう。 仮説指向計画法は、まず、経営陣が成功を信じる事業の仮説を詳細に検討させる。次に、その事業の売上や費用に関する仮説を競合や市場平均と比較しつつ、 事業に必要なそれぞれの要素を詳細に記述して構造化する。そのうえで、この過程で必要となった仮定条件、たとえば部品の価格や配送費用などの数値を検証し、可能な限り具体的かつ現実的な数値に落とし込む。これらの数字は、事業を推進する過程で絶えず見直され、それに伴い当初の計画も進化していく。 この方法は、新興企業が戦う事業領域においては、