美術論考 「美術評論のこれまでとこれから」岡﨑 乾二郎 岡﨑乾二郎2024年11月8日「美術評論のこれまでとこれから」岡﨑 乾二郎 はコメントを受け付けていません 質問1これまでの美術評論でもっとも印象的なものについてお答えください。 「調査的感性術 真実の政治における紛争とコモンズ」マシュー・フラー+エヤル・ヴァイツマン(著)中井悠(訳)水声社 1 理性、悟性、感性という古典的な弁別に従うならば、美術批評が基づくのはまず感性である。人間の認識能力が悟性、理性によって統整されているとするならば、感性がとらえたものも、まず悟性、理性によって濾過され、仕分けられることになる。つまり感性は悟性、理性に従属してしまう。感性を通して外部から入力されたデータが、悟性、理性の認識フレームを改新するものになることは決してない。 逆にいえば、感性に自律した役割が求められるとすれば、悟性、理性の限界、閉塞が自