はじめに 私は、愛媛県松山市に在住しています。 これまでに『三島由紀夫と刺青』『三島由紀夫と橋家』『三島文学に先駆けた橋健行』『三島由紀夫のトポフィリア』『三島由紀夫と神風連』などの研究論文を、鼎書房が刊行する「三島由紀夫研究」に発表するとともに、エッセイや小説などを手がけてきました。 また、この六月に拙論を二つ発表しました。 一つは、「三島由紀夫と神風連――『奔馬』の背景を探る」で、「三島由紀夫・鏡子の家 三島由紀夫研究⑭」(鼎書房)に掲載されました。「三島由紀夫と神風連――『奔馬』の背景を探る」では、三島が『奔馬』を執筆したときの参考文献を踏まえて、三島と神風連関係者との深い繋がりや影響などを探りました。徹底的に熊本人脈を調査して、「アッ」と驚くような結論に導くことができたのではなかろうか、と考えています。 もう一つは、「小説に描かれた『三島由紀夫』覚書」で、「現代文学史研究 第二〇集