クラウドコンピューティングに「コスト削減」効果を求める企業は多い。様々なアンケート調査においても、クラウドコンピューティングの導入目的の上位には必ず「コスト削減」がランクインする。だが、クラウド導入の企画フェーズで落とし穴にはまると、プロジェクトが迷走して、コスト削減どころではなくなってしまう。失敗事例を基にクラウド導入が頓挫する原因を考えてみたい。 クラウドコンピューティングには、初期費用の抑制や導入期間の短縮といった潜在的メリットが非常に大きい。これはコスト削減やシステム対応の迅速化といった経営のニーズにぴたりと合致する。最近では、国内外のITベンダーもこぞってクラウドサービスを立ち上げ、企業システムのクラウド化に向けた素地は整いつつある。 しかし、コスト削減の有力な手段としてクラウドに注目しつつも、導入への一歩を踏み出せない企業は多い。実際にクラウドを導入した企業でも、その効果を十分