スゴ本オフ『猫と犬』に合わせて、泣ける犬の本を選んだ。 猫は大好きなのだが、飼ったことがない。遠くから愛でて、たまに触らせてもらってハピーになれる距離にいる。いっぽう犬は、小さい頃の記憶の一部になるほど家族の一員だった。 なので、たぶん猫派で埋め尽くされるスゴ本オフに、せめて犬の一角をもうけよう。そして、ただ「犬の本」といっても山ほどあるので、なかでも泣ける奴、しかも鉄板号泣級を選ぼう。 ウィーダ『フランダースの犬』は、泣ける犬本の決定版。貧乏だが絵の才能のあるネロとパトラッシュの悲話。中学の担任が「ラストが分かってても泣ける」とお薦めされ、読了号泣。大人になって再読すると、「プライドがパトラッシュを殺した」話に見える。絵の対価を受け取ろうとしない気位の高さ、初応募でコンクール入選を信じる芸術家気質にイラつく。財布を拾って届けてやったのに、「空腹で吹雪で帰る家がなくなったから、一晩泊めて」