国立がん研究センターが出した最新のがん生存率データでは、がん患者の10年後の生存率は56.3%、5年後の生存率は67.9%だった。がん患者の生存率は1990年代後半から上昇しており、早期発見技術や治療方法の進歩が大きく貢献している。 国民の2人に1人ががんにかかるとされる現代において、生存率の上昇は極めて望ましいことだが……? (国立がん研究センターのプレスリリースはこちら) がん患者はほぼ100万人 厚生労働省が2019年1月に公表した「全国がん登録」によると、2016年にがんと診断された人は約99万5000人で、100万人に迫る数字だった。内訳は男性約56万7000人、女性約42万8000人。 「がん生存率」とは、がんと診断された患者が一定期間を過ぎた後に生きている割合。「相対生存率」は、がん以外の死因を除いて算出しており、これの数値が高いほど治療により生命を救えることを示している。