正直に言うと、今回取材した企業である『クラシエ』という名前を知ったのは3年ほど前だ。その際にも「破綻したカネボウ」を引き継いだ会社と聞いて、そうなんだと初めて知ったことを思い出す。 日本を代表する企業であった『カネボウ』はなぜ破綻して、そこからどう生まれ変わったのか。その再生のキーポイントは何だったのか。クラシエホールディングスの岩倉昌弘社長に聞いた。 『カネボウ』が破綻するまで 1887(明治20)年に東京綿商社として創立したカネボウは、繊維や化粧品や食品など「ペンタゴン(5角形)経営」と呼ばれる多角化経営で日本を代表する大企業となった。 しかし繊維事業が衰えるなどして業績が悪化して債務超過に転落し、2004年に経営破綻。元社長を含む元取締役3名が粉飾決算をしたとして証券取引法違反の疑いで逮捕された。破綻した時に大阪支店の販売部長をしていた岩倉氏は、当時のカネボウの実態をこう明らかにした
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