埼玉県の小学校の現役教員(田中まさおさん、仮名)がこの点を含めて訴えていた裁判の判決が去る2021年10月1日に出た。さいたま地方裁判所は、現在の法律は「教育現場の実情に適合していないのではないか」と付言したものの、原告の教員の訴えを退けたのだ。 この判決はTwitter等で物議を醸すことになった。時間外労働として認めた授業準備は「1コマ5分」というものだったし、時間外の保護者対応やプリントの採点、児童の作文の添削などは、労働時間として認定しなかったためだ。 「給特法」で、公立学校の教員は残業代が支給されない それはなぜなのか。公立学校の教員は特別な法律によって、残業代を支給しないことになっている。「給特法」と略称されることが多いが、正式には「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」という長い法律がそれだ。その分、給与月額の4%が別途支給されているが、これは「定額働かせ