8月下旬、日経平均株価は一時3000円近く低下した。株価下落は世界同時的に起こっており、その原因は中国株、ひいては中国経済の減速だとされている。 中国経済に大きな問題があるというのは、かなり以前から本コラムでも取り上げてきた。筆者が国内総生産(GDP)の伸び率を推計すると、政府目標の7%成長どころかマイナス3%成長だ。 筆者は、株価の変動そのものが大変であるとは思っていないが、それが実体経済の低迷を反映したものであるときにはそのシグナルを重大視する。 もし中国経済がマイナス成長であるならば、世界経済に与える影響は2008年のリーマン・ショック並みとなる。であれば、日本経済を守るためには、それ相応の財政・金融政策の準備が必要となってくる。 そこで、リーマン・ショック時と現在の日本経済との間でどのような違いがあるのかをまず確認しておこう。 リーマン・ショックで日本経済は株安と円高が大幅に進み、