フランスパンを日本に広め、外国人として初めて「現代の名工」に選ばれた兵庫県芦屋市のパン店「ビゴの店」の創業者、フィリップ・ビゴさんが17日死去した。76歳だった。葬儀は近親者で営み、後日、お別れの会を開く。 1942年、フランス生まれ。パン職人の父のもとで少年時代からパンづくりに携わった。22歳だった65年、東京国際見本市で実演するために来日。神戸市に本社を置くベーカリー「ドンク」に勤め、各地で本場のパンづくりを指導した。 72年に独立して「ビゴの店」を開業。兵庫県内や東京都内に店舗を展開し、多くの職人を育てた。2003年にフランスのレジオン・ドヌール勲章を受章。08年に朝日新聞の取材を受けた際は、「パンは人に一番身近な食べ物で命の糧。だから安全なものでないと」と語り、保存料や添加物を使わないパンづくりへのこだわりを強調した。昨年、厚生労働省の「現代の名工」に選ばれた際には、「日本でフラン