2004年度 一橋大学社会学部学士論文 『インテンシティー原理』 一橋大学社会学部 加藤哲郎ゼミナール 中澤 高師 はじめに 多数決は、日常生活から政治の場にいたるまで集団による意思決定方法として幅広くもちいられている。小学校のクラスルームやサークル活動から、国政選挙や国会における議決まで、多数決は、最も「民主的」な意思決定方法として承認されている。 しかし、多数決のもつ最大の問題点は、個人がある選択肢に対してもつ、「選好の強さ」(=インテンシティー)を決定に反映しないところにある。多数決は「政治的平等」にもとづいているといわれる。多数決は、各個人の選好を等価値であるとみなす。そうすることによって、頭数を数えることで結果を量