その起源は古代ローマ時代にまで遡る。海洋に面し、かつ複雑な地形に囲まれており、外敵の侵入を撃退するのに適していた。839年、ナポリ公国から独立を宣言してアマルフィ公国となり、イスラーム勢力との抗争のなかで、徐々に勢力を拡大させていった。872年にはサン・サルヴァトーレ島を守っていたイスラーム軍を海戦で撃破、この功績で東ローマ帝国からカプリ島を譲渡された。ただし、イスラーム勢力と対立しただけでなく、商業上の利益から同盟を結ぶこともみられた。アマルフィは、その後も公国の首都、貿易の拠点として発展し、一時はピサやヴェネツィアやジェノヴァと地中海の覇権を争い、黒海にも商業活動を広げた。例えば、現ウクライナの都市セヴァストポリに、アマルフィの港の跡が残されている。 アマルフィの人々は、航海に関する法典である「アマルフィ海法」を作成した。これが様々な海洋に関する法典の雛形となり、17世紀まで影響を持っ