再生可能エネルギーの導入機運が高まる中、風力発電設備の新増設を望む事業者が多い一方で、北陸および四国電力では系統内の調整力に十分な余裕がないなどの制約から、風力発電の導入拡大が困難な状況にあった。この2社は事業規模が小さく、大量の風力発電を導入すると系統制御が難しいということから、例えば北陸電力では、これまで15万キロワットしか設置されず、これが上限と言われてきた。四国電力も同規模なのだが、この両社がそれぞれ導入量を20万キロワット拡大するということになったのだ。この増量分はほとんどが、連系線を経由して関西電力や中部電力に送られ、変動が吸収される。東京電力へは周波数が違うためにこのような方式は難しい。しかし、これまでこのようなやり方で風力発電を大量に設置することは、ほとんど認められていなかった。管内の風力発電による出力変動は全部その管轄電力会社がそれぞれ単独で制御することになっていたためだ