◇母「誰かに相談すればよかった」 生活に困窮して家賃を滞納し、公営住宅から強制退去させられる当日、中学2年の一人娘を殺害したとして起訴された母親の裁判員裁判の判決が12日、千葉地裁(佐々木一夫裁判長)で言い渡される。別れた夫は借金を残した。娘の制服を買うためにヤミ金融にも手を出したが、生活保護は受けられなかった。「なぜ殺してしまったのか。誰かに相談すればよかった」。法廷で涙を流して悔いる母の言葉を、裁判員はどう受け止めたのか。 殺人罪などに問われているのは千葉県銚子市のパート従業員、松谷美花被告(44)。起訴状によると2014年9月24日午前9時ごろ、県営住宅の自室で長女可純(かすみ)さん(当時13歳)の首を絞めて窒息死させたとされる。 月1万2800円の家賃の滞納が約2年間続いたため、県が住宅明け渡し訴訟で勝訴、事件当日は立ち退き期限だった。午前11時10分ごろ、鍵を開けて立ち入っ