いま、猛烈な勢いで、ものづくりを支える町工場が減っています。経済産業省の工業統計によると、去年は過去最大の12.8%の減少となりました。景気が回復局面にあると言われているのに、たった1年で国内の8分の1にのぼる工場が消えたというのです。理由はさまざまですが、要因の1つが、高いお金を出して買ったものの、稼働していない「遊休設備」。それをなんとかできるかもしれない秘策があると聞き、現場に行ってきました。 (経済部記者 影圭太) 私がまず訪れたのは、東京・青梅市にある中小メーカー「武州工業」の工場です。このメーカーでは、150人の従業員が自動車部品や医療機器に使われるパイプを生産しています。 所狭しと生産設備が置かれた工場を案内されると、シートに覆われ、稼働していない機械を見つけました。それは、3次元測定器と呼ばれる機械。できあがった製品の寸法などを3Dで精密に測定し、瞬時に検査できる高性能な機