神奈川県の会社員、小野田信行(31)=仮名=は仕事から帰ると、パソコンでインターネット巨大掲示板群「2ちゃんねる」をのぞくのが日課になっている。その日のニュースなどについて一般のネットユーザーがコメントを書き込むネット上の掲示板群。その中に、批判や揶揄(やゆ)の書き込みが殺到する「祭り」がないかチェックするためだ。 タレントの不祥事、政治家の失言、一般人の非常識な行動…。祭りのネタは尽きない。書き込みは匿名が原則。1つの掲示板に多いときで数万人がアクセスすることもあり、サイバー空間での“群衆”を形成している。そこに小野田も参加するのだ。 「多くのユーザーがいる掲示板で、うまい書き込みをして、自分と同じようなユーザーに喜んでもらえると気持ちがいい」。仕事や私生活に不満があるわけではないが、「ネットに“いる”ときの方が楽しい」と打ち明ける。 小野田は自分のことを「ネト充」と呼ぶ。リアル(現実)