2時間前、確かにそこに親子連れのカルガモがいた 数人が写真を撮っていた 引っ越ししていたのかもしれない そこは東京のど真ん中、某緑地の隣だが、緑地には高い壁があり、飛ばないと入れない状態だった 雛は私を見ると一目散に道路の曲がり角、隅っこの草の陰にうまく隠れた 私はそれを見送って、15分ほどカルガモの親を探してみた 気温は30度を超え 黙ってるだけで汗が吹き出るほどだった カルガモの親はどこにもいなかった そりゃそうだ、2時間も経ったらあの歩みでもどこへなりいけるだろう 私は途方に暮れた そして無性にカルガモに怒りが湧いてきた まるで責められているような気分だった 思い起こしてみると、あいつらははぐれ過ぎだ 虫でも動物でも、親子であれだけ適当な移動をするやつが居るだろうか あんなのは鳥くらいだ せめて大量に生むならわかるが、親鳥の後をついていく雛はせいぜい数匹だ、ならもっと そこまで考えて
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